渡辺トオル E会の議事録

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スティーブありがとう

10月5日スティーブ・ジョブズが亡くなった。彼の偉大な業績は、今後も語り継がれ、分析され、未来のアントレプレナーや事業に大きな影響をもたらすのだろう。

彼のエゴや、世界を良くしようという思いや、テクノロジーや、いやテクノロジーじゃなくて単なる組み合わせじゃないか?という批判や、広義のデザイナーとしての力や、カリスマと組織に関する関係性の研究など、様々な想いによって語られ続けるのかも知れない。

今日彼の死に関する報道に接して、いくつかの事実を新たに知る事になった。ぎりぎりまでスイスや世界各地のリスクのある抗がん治療を受けていた事。アップルを追い出された後、何と映画のシナリオを書くクラスに通っていた事。しかも最初はうまく行かなくて、努力の結果ものにしていった事・・・

8年前のスタンフォードでのスピーチで「死」に関する言及をし、いま実際無くなった後からこのスピーチを改めて聴くと、一日の密度を可能な限り高め、許された時間の中で、できるだけ多くの世界を変えるべくプロダクトをスピーディーに作り、それが未来への種として世界になじむように多くの数を流通させる努力を続けた。そんな生涯だったのだなと思った。

アップルを立ち上げたこと、Macを作ったこと、imacやipod、iphoneやipad・・・すべてが素晴らしい変化を世界にもたらしたと同時に、これらの最初のアイディア自体を彼が産み出したのではないケースが多く見受けられる。というか、彼には面白いアイディアと面白くないアイディア・・・気になるアイディアと気にならないアイディアの2種類しか無くて、それが誰のアイディアなのかはあまり興味が無かったのかも知れない。自分のアイディアも含めて・・・

いや世界を変える何かを作るという視点から見て、アイディアを出すとか、何かを作るというのは、まぁ当たり前なんだけど、手段だって思っていたのだろう。外から見たら逆説的だけど、自分の存在や自分のアイディアも同様だったような気がする・・・まぁ対面してやられると「なんだこのエゴやろう!それ俺が前に提案した事じゃん」っていうシーンになってたような気もするけど。

自分に限られた時間でいかに世界を良くできるか?そのためにはどんな組織やどんな人材やどんなアイディアが必要なんだろう?それにはどれくらいお金が必要で、どれくらいのシェアを獲得しなければ継続できないんだろう?・・・最後の10年はそんな毎日だったような気がする。完全に想像だけど。

彼がアップルを追い出されて、シナリオの勉強をして、どんな物語を書き残したのかは知らないが、少なくとも目の前に彼の生き様っていう物語を紡いでくれた。

ひと月と少し前、後継者を決めて、その後継者が新商品を発表した直後にさよならするって、出来過ぎな物語だけど、でも作り物でない本当に胸を打つ物語を語られた気分だ。

「死は人類にとって素晴らしい発明だ!」「今日もし死ぬとして今日やるべきことをやっているか?」・・・そして、死は次の世代へ未来へ大事なものをリレーする素晴らしいタイミングなんだ・・・そんな当たり前の事が、やっぱり一番すごいことなんだと感じた日になった。

  • 8 months ago
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