放火魔か?はたまた宗教家か?
第21回E会の議事録
掲載が遅れましたが21回のE会議事録をアップします。
3月22日 20:00スタート
前回、大そう盛り上がったブレント コンスタンスの第二回をE会にて実施しました。課題は水谷さん作・・・
- 「僕の作った最初の企業の連中に接触されていて、やつら曰く10億ドル規模の企業では働きたくなくって…だから、新しい会社作れよってね」 1 億ドルの企業、10億ドルの企業、100億ドルの企業、そして1兆ドルの企業であるカレラ。(売上げの話なんでしょうか) それぞれ何が違うのでしょう。?
- 「この会社を作って感じたのは、取締役会がないってことは、そんな無駄をしなくて済む。だから20%の時間余計に作れたって感じたことだね。 そうすると係わる人の時間を節約できるし、当初のビジョンを追求できるんだよ。」とブレントは言っています。 取締役会がない会社がうまく回っていくためには、どんな条件が求められると思いますか?
- ブレントの4回の起業スタイルは、共通部分を持ちつつも、少しずつ形を変えています。その変化の中で注目すべき要素は何でしょうか。ブレントは何を重視 しているのでしょうか?
という内容で、いつもの通りフリーディスカッション。
前回は「放火魔」「愉快犯」などの悪名を冠せられたブレントさんですが、今回は少し雲行きが違ってきました。1兆ドルという天文学的な経営規模を持つ(目指す)ってどういうこと?ってところから彼の新しいクラスが認定?されました(笑)
それは「偉大な宗教家」・・・
どういうことかというと、ある種の経営オペレーションからこの経営規模を目指すのは困難である。すなわち何がしかの個人的な能力、アイディア、経営手法がそれを実現させるとは思えない。共有するのは、ある種の「祈り」に近いもので、その祈りが普遍的であるもので、多くの人に共感できるものでないと、この巨大な事業を実現化できないのではないか?という話になりました。
ブラントが息子を失って以降、彼が注目したものは「サンゴ礁」でした。コンクリート・石灰好きのブラントにとってはそもそもの研究対象でもあり、突飛な事ではないのかもしれませんが、息子との最後の日々に一緒にサンゴ礁に潜り、人生で最後のサンゴを見る子供を見ながら連想したのは、サンゴを見れなくなるのは我が子だけでなく、これから生まれてくるすべての子どもたちに共通する課題なのだ・・・とケースには淡々と書かれてあります。
その後カレラを立ち上げるのは、ある種の実験の過程の中で、仲間内でのちょっとした気付きから、二酸化炭素を吸収するコンクリートの生成方法を編み出したところから始まっています。まぁ偶然の産物とも言えるでしょう。いつもの彼の通り、ビックデータ的な巨視的なアプローチから、どこでニーズが起こり、どこがお金を出す理由を持つのか?の分析は描かれていますが、未来に対するある種感傷的な表現は、ケースの中では表現されていません。
しかしながら、カレラというブラントが新しく作った企業から発せられるメッセージから読み取れるのは、この会社のステークホルダーは、株主でもなく、顧客でもなく、人でもない「サンゴ礁」なのかも知れないという思考です。翻ってそれは「未来」の話であり、誰がどれくらい儲かる?という話ではなく、中心軸に据えているのが「未来」・・・すなわち我々の子孫にどのような地球環境をリレーするのか?がもっとも大事な要素として語られている。
この、それぞれの人々の「こころ」に達する何かを持つことが、天文学的な事業プランを具現化するエンジンではないだろうか?それは極めて「宗教家」のそれに近いんではないだろうか?が会で話し合われた内容となりました。
ずいぶん、前回と比べて逆サイドの評価を得たものです。しかし、確かに彼の前半の事業と、今現在進めている企業との間には、明確な違いがあります。前半の企業はアイディアがあり、事業プランがあり、それの実現を邪魔するいくつかの要素があり、それを一段階、一段階ずつはがしていくプロセスのように見えます。
でも、カレラになると「事業プラン」という言葉はすでにごみ箱行となり、技術のコアもすべて公開してしまっている・・・真逆のオペレーションと言ってもいい経営を行っています。
このほかには、いつものごとく米国と日本のベンチャーを取り巻く環境や風習の違いがエピソードも含め語られましたが、ブレントの今の姿は、そうい言った環境や文化・風習を越えたものにも感じる。そのような大きさをもった人物であろう・・・そんなまとめであったと思います。
さて、次回はブレントの最終回。質疑応答部分をネタにしたディスカッションを行います。次々回は新しいケースに突入します。多くの方が使い始めているあるアプリケーション会社の話・・・こうご期待!
PS.途中で徳島は神山からテレビ会議で乱入。先方はしし鍋をつついてほろ酔い気分・・・ふらっと立ち寄るの定義が最近変わりつつあると感じています(笑)
だれも知らない大巨人!
昨日は「カルシウム」の大巨人 ブレント コンスタンス・・・しかも記念すべき第20回めのE会でもあり、2012年最初の会でもありました。
その熱き議論の模様を詳細にお伝えしたいのですが、文章化するとなにか大事なものが逃げてしまいます。(正直に言うと文章化する時間があまりなさそう)そこで、最近とても有名になった「clear」というiphoneアプリでメモったキーワードをただ単に羅列するという手法で取りまとめさせていただこうと思っとります。
今回のケースを共有していない方には、何のこっちゃ分からないかもしれません。いやあの場の空気を共有していない人にも伝わらないかも知れない。けど、それがリアル空間の共有の価値でもあり、ご興味のある方は会にアクセスいただければと考えております。
【第20回 E会】
◆株式会社カレラ CEO ブレント コンスタンス 元のスピーチの動画
◆2012年2月27日 20:00~21:30
◆今回のディスカッションテーマ
テキストの1~7ページまでが対象です。 その中で下記の3つの共通テーマでディスカッションしてみましょう!
1)シリアルアントレプレナーのかっこよさは『起業というなだれを起こし、その行くすえを見ていること』とブレントは言っています。 それではひとつの会社 を起業し成長させていくアントレプレナーとのかっこよさの違いと言うものは、何であるとあなたは思いますか?
2)ある分野の専門家でないことで逆にその業界などの常識にとらわれないという大切さをブレントは話しています。 アントレプレナーとして起業をしていく場合
- 自分の専門性を突き詰めて起業していくのがいいのか?
- それともブレントのパターンの方が大きな成功をおさめる可能性があるのか?
あなたはどう思いますか?
3)自分達が起業時に描いたビジョンが、徐々に会社が大きくなるに連れてずれて行ってしまう事があるとブレントは言っています。そこで
- 『いつまでも創業時のビジョンを保ちつつ会社を拡大していく』には、どのような事がポイントとなると、あなたは考えますか?
- または、そうではなく『ビジョンとは企業が成長していく過程で変わることもあり、そもそも変化するものである』と思われますか?
どちらかの点にフォーカスまたは重点をおき、ご意見を交換しましょう。でスタートしました。
ということで議事録・・・
スティーブありがとう
10月5日スティーブ・ジョブズが亡くなった。彼の偉大な業績は、今後も語り継がれ、分析され、未来のアントレプレナーや事業に大きな影響をもたらすのだろう。
彼のエゴや、世界を良くしようという思いや、テクノロジーや、いやテクノロジーじゃなくて単なる組み合わせじゃないか?という批判や、広義のデザイナーとしての力や、カリスマと組織に関する関係性の研究など、様々な想いによって語られ続けるのかも知れない。
今日彼の死に関する報道に接して、いくつかの事実を新たに知る事になった。ぎりぎりまでスイスや世界各地のリスクのある抗がん治療を受けていた事。アップルを追い出された後、何と映画のシナリオを書くクラスに通っていた事。しかも最初はうまく行かなくて、努力の結果ものにしていった事・・・
8年前のスタンフォードでのスピーチで「死」に関する言及をし、いま実際無くなった後からこのスピーチを改めて聴くと、一日の密度を可能な限り高め、許された時間の中で、できるだけ多くの世界を変えるべくプロダクトをスピーディーに作り、それが未来への種として世界になじむように多くの数を流通させる努力を続けた。そんな生涯だったのだなと思った。
アップルを立ち上げたこと、Macを作ったこと、imacやipod、iphoneやipad・・・すべてが素晴らしい変化を世界にもたらしたと同時に、これらの最初のアイディア自体を彼が産み出したのではないケースが多く見受けられる。というか、彼には面白いアイディアと面白くないアイディア・・・気になるアイディアと気にならないアイディアの2種類しか無くて、それが誰のアイディアなのかはあまり興味が無かったのかも知れない。自分のアイディアも含めて・・・
いや世界を変える何かを作るという視点から見て、アイディアを出すとか、何かを作るというのは、まぁ当たり前なんだけど、手段だって思っていたのだろう。外から見たら逆説的だけど、自分の存在や自分のアイディアも同様だったような気がする・・・まぁ対面してやられると「なんだこのエゴやろう!それ俺が前に提案した事じゃん」っていうシーンになってたような気もするけど。
自分に限られた時間でいかに世界を良くできるか?そのためにはどんな組織やどんな人材やどんなアイディアが必要なんだろう?それにはどれくらいお金が必要で、どれくらいのシェアを獲得しなければ継続できないんだろう?・・・最後の10年はそんな毎日だったような気がする。完全に想像だけど。
彼がアップルを追い出されて、シナリオの勉強をして、どんな物語を書き残したのかは知らないが、少なくとも目の前に彼の生き様っていう物語を紡いでくれた。
ひと月と少し前、後継者を決めて、その後継者が新商品を発表した直後にさよならするって、出来過ぎな物語だけど、でも作り物でない本当に胸を打つ物語を語られた気分だ。
「死は人類にとって素晴らしい発明だ!」「今日もし死ぬとして今日やるべきことをやっているか?」・・・そして、死は次の世代へ未来へ大事なものをリレーする素晴らしいタイミングなんだ・・・そんな当たり前の事が、やっぱり一番すごいことなんだと感じた日になった。
第19回 E会開催のお知らせ
10月6日19:00にE会を開催します。
9月に続きホフマン・・・「Linkedin」の創業者である彼が、上場する以前にスタンフォードで語ったケースです。今回は質疑応答の段落を中心に、ホフマンのケースのまとめとして会を行います。
今回事前に出された質問は下記の4つ。これをベースに約2時間自由に討議します。
2)今現在「タイミングと幸運をあわせ持つ」だろう領域を思い描 くことができますか?それはどんな領域のどんなビジネスだろうと思いますか?
3)ホフマンは、個々人がよりプロフェッショナル化して、就労自 体が大きく流動化する(もしくはしている)と考えているようです。これに対するあなた自身の実感はどうでしょう?また、日本における就労スタイルや組織のあり方がどの様に変化す ると考えますか?
4)Linkedinのライバルはいるでしょうか?そしてそれは誰だと思いますか?
と設問は一応用意しておりますが、気楽にそれぞれの意見を交換していきます。気軽に参加いただけると幸いです。
***************************************************** 今回は、質疑応答がベースになっています。質問は大まかに下記の通り・・・ ・起業家で経験したことは、投資家として役立つ? ・会員を急激に増やせた要因はなに? ・収益モデルはなに? ・アカデミックから起業家への転身の動機は? ・Linkedinは巨大ハブを目指すのか? ・フレンスターがSNSの世界でMySpaceに破れた理由は? ・大企業でのキャリアの獲得の仕方は? ・Linkedinにとっての脅威は何ですか? ・起業家と大きな会社の経営者の違いは何ですか? ・Linkedinの未来は?
人生とはすばらしい場所か?
三日坊主は嫌なので、書く意思はあるぞ!と会の当日深夜に帰宅後いずれかの電子機器にメモを残したはずなのだが・・・痕跡がない。おそらく旧ipadのメモあたりに記述していると思うのだが、それは先月ipad2をゲットしてから、子どもにおろしてしまって手元にない・・・と書き始めたのが、そもそも3カ月以上前・・・ということで、さらにあいまいな記憶をたどった、いまさらの議事録になるので、正確さの「せ」の字もない。(参加のみなさま申し訳ない)
第15回 E会の議事録 2011年5月20日 実施要項
Awesome(すばらしい)
とても素晴らしいスピーチ・・・ウイットに富み、友人や家族への愛も語られている・・・人生の送り方、ちいさな素晴らしいことの発見から得られる価値を素敵な語り口で語っている・・・TEDのサイトでも公開されているので、一度ご覧になって下さい。
E会では最近「小さな喜び」を発見したか?という質問からスタート・・・共通していたのは、意識しないと日頃の小さな喜びに自覚がないと言うこと。
気がつくのは、危険なことや嫌なこと・・・twitterやfacebookでも「何々がなっていない!」「いやそのやり方自体に問題がある」「いやいや、その視点が気に食わない」などネガティブな発言のサイクルがくるくる回っているのを目にすることが多い。
メンバーの中でも、どうしてもネガティブな表現をすることが多くなっている・・・明日からは、ちっちゃな好い事を記述してみようという話も出た。皆さん、その後、いかがでしょうか?
そういう意味で、facebookに「いいね」ボタンだけあって「良くないね」というボタンがない設計の絶妙さ、その企てに感心することしきりである。
この「Awesome」という本がアメリカでベストセラーになったのも「いいね」をつないで行く重要さと、小さないいねを発見する難しさ、楽しさを、潜在的に多くの人が知っていることに起因しているのだろう。
会のディスカッションではそもそも「幸せ」ってなんだろう?という問題に行き着いた。特に、ちいさな、ささやかな幸せというものがあるのであれば、おおきな幸せってなによ?という根底から揺さぶりをかける意見が出てきたのは鮮明に記憶がある。
喜びが大きいのか?大きい出来事が成功したから幸せなのか?幸せとはエスカレーションするものである。すなわち一度獲得した幸せは一旦慣れてしまうと、幸せと感じることが難しくなる。より大きな幸せを求めてしまう。だから「足るを知る」という人生訓もよく語られるのではないか?
また、痛みとは違って幸せは記憶に残らない傾向にある・・・すなわち、生物として生命に対する危機管理能力の観点からは「痛い」「危ない」という記憶が危険を及ぼす対象を未然に回避する上で重要であり、翻って「好奇心」や「喜びの追求」は、刺激のエスカレーションによって減衰することを避けるため、記憶に残りにくくなっているのでは・・・生物学や心理学の専門家がいるわけではないのだけれど・・・そんな類推も提示された。
最後に、人生を素晴らしい体験にする3つのAについて、それぞれどの要素にコミットできるのか?もしくは、できないのか?という質問になった。「幸せ」の定義をちゃんとグリップできずに進める事にはなったが、ある種のファンクションについてなので、それぞれの意見、スタンスを明示してディスカッションが続いた。
Atitude(前向きな、未来を見据えた姿勢)は、ほぼ全員が同意。Awareness(気づく心)に対するスタンスはばらつきが大層あった。Authenticity(自分に忠実であること)は、本当に自分のしたいことってなんだ?っていう人から、AtitudeによってAwarenessもAuthenticityも結局は規定されるじゃんのような意見も出て、まぁ、かっこいい結論めいたもの(それはそもそも目的ではないけれど)を打出せる気配もなく、グダグダな状態でディスカッション終結。
特に、AtitudeとAuthenticityまでは確かに意思の力として有効な要素だと思うけれど。Awarenessってなによ?姿勢を持っていれば、必要なものは気が付くじゃん!・・・という意見と、何言ってんだAwarenessこそが大事ジャン!気づく力があるからこそ、未来に対する姿勢や自分のしたいことへの発見がもたらされるんだよ。小さいステップに意識が向けられるからこそ、イノベーションは起こるし、変化が世の中にもたらされるんだよ・・・いやいやそもそもイノベーションって改善だろ!創造じゃねぇんだよ・・・という意見の対立で取っ組み合いの喧嘩が起こった(わけはないが)。こうやって書いてみると言い方の角度の違いしかないような気もするが、ちょっと議論の活性化が起こり始めたころに時間となってしまった。
まだ、震災の生々しさが残っている時期の会であえて小さな幸せに関する議論と言うのも、タイムリーな面とむつかしい面の両方があったと今になって思う。
何かを実現したい、成し遂げたいという欲望と、それに基づく計画もしくは夢のようなものは人を突き動かすのであろうが、結局は瞬間瞬間の行動やふるまいの積み重ねが人生だ。その意味で小さな幸せや出来事に意識的になる、積極的な姿勢と、常に子供のような新鮮な目線と、自分が何をしたいのか?の正直であることは、基本的な行動原理として理にかなったものかもしれない。
アントレプレナーマインドとしても、この両輪のバランスとそれぞれのコントロールを深めて行くことが必要だと思う。何の為に生まれたか?は何の為に生まれたか?を考える為に与えられた時間である・・・と規定してもあながち間違えではないんだろう?・・・と書くと身も蓋もないような気がするので「好きに生きようぜ!」と言う言葉で締め直すことにする。
第18回 E会開催のお知らせ
8月は夏なので一回休み。
9月5日19:00にE会再開いたします!
次回は6月に行ったホフマンの続き・・・ホフマンって誰?って方に紹介すると、今年アメリカでの大型IPOとなった「Linkedin」の創業者・・・だけでなく「paypal」の創業メンバーだったり「Firefox」や「Sixapart」の株主だったり、創業者としての顔(それも何度も創業しているシリアルアントレプレナー)と投資家の顔をあわせもつ体重の重い人・・・です。
ホフマンのケースを扱うのは今回が2回目(1回目の議事録はこの前の記事参照)
今回事前に出された質問は下記の3つ。これをベースに約2時間自由に討議します。
1) ホフマンの最初の会社「ソーシャルネット」の起業が失敗した(とはホフマンは表現していないけれど)時に、彼が学んだことのうち、最も感銘もしくは刺激を受けた考えはどれでしたか?
2) 「paypal」をスタートさせる際、友人の最初のアイディアから実際事業が立ち上がり軌道に乗るまでのプロセスで最も刺激を受けた考え方もしくはやり方はなんでしたか?
3) 彼が「銀行」を鈍重な競争相手と考えているのは分かります。さて、これ以外に鈍重な競争相手はどこに居るでしょうか?あなたの考えを聞かせて下さい
と設問は一応用意しておりますが、気楽にそれぞれの意見を交換していきます。気軽に参加いただけると幸いです。
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参考までに(本文は会にジョインしていただければお渡しできます)今回のケースのサマリーを下記に提示します。でも読み方はそれぞれなのであくまで参考に・・・
◆ホフマンが最初の起業で気づいたこと
1)財務戦略について
2)流通手段の必要性
3)バージョン0の意味
◆最初のアイディアをどう扱うか?
・ アイディア思いついた(友達が)
・ 最初の検証(複雑すぎる問題では無いか?)
・ 最初の客は誰だ?(誰がしくみ買う?)
・ ケース、シーンの検証(誰がこれ使う?)
・ より汎用性のあるアイディア(引き算?)
・ シンプルなまとめ
・ 無知がゆえのトライ
・ 鈍重な競争相手か?
・ 失敗の可能性をいち早く知る
・ どの課題に取り組むか?を正しく選ぶ
・ 一度に全ての問題に対処しない。あくまで順番が大事
◆シリアルアントレプレナー的な連想
・ パブリッシュすることからの連想
・ いろいろ
会はオープン参加ですが、事前にお申込みが必要になります。
アントレプレナーであること=ビジネスを成功させること
これから書くのは、6月に開催したE会の議事録です。長らくさぼっていて申し訳ありません(5月分のさぼっています。メモは取ってあるので近日中にアップ)
さて、表題に掲げた「アントレプレナーであること」と「ビジネスを成功させること」はイコールで結べないのは当たり前だ。当たり前なんだけど、これらスタンフォードの事例に付き合っていると、ちょっと混同してしまうことがあるのも事実である。
本会がはねた後、一番若いHさんが「僕がこの会でつかみたいのは、アントレプレナーシップというある種の精神論が、必ずしもビジネスの成功に直結しないんではないか?それを色んな事例から証明してみたいんですよ!」こう発言した。
彼は若いのにもかかわらずいつもうがったことを言う。
「同世代(30前後)の経営者と話すと、アントレプレナーへの憧れ・・・例えば孫さんが120%自分を信じて曲げるな!と言ったとか、ある種のステレオタイプな精神論の繰り返しじゃないの?という発言が多いんですよね・・・」とも言った。
そのとおりである。僕も30前後の時、いまよりも若い孫さんに会って、同じことを言われた。そして孫さんに限らず、多くの経営者に会って、色んな話を聞いて(確かに経営の神髄みたいな感じでもあった)感化され、自身のロールモデルとして心のどこかへ置いてきたのも事実だ。
僕たちが若いときに聞いた話をひとつの言葉に集約するとそれは「あきらめるな!」だった。企画を打ち立て考えに考え、自分自身を100%、120%説得し、不退転の心意気であらゆる困難を乗り越えよ。そこを乗り切ったから、いま僕がここにいる。全員がそう言うわけではなかったが、自身の経験をそのように語る傾向が日本にはあるのかもしれない。要はかっこいい話になるわけだ・・・
けど、いま改めて考えてみると、それは心構えのヒントになり得ても、具体的な起業や経営スキルを教えてもらったわけではない。寝る間、遊ぶ間を惜しんで死ぬほど働いた・・・からと言って成功するわけではない。ビジネスにとって適切なタイミングに適切な対応と適切な体制を準備できたものだけが、勝ち残ってきているだけで、そこに普遍的な智恵があるのかどうか?に注目すべきだった。そう最近思うようになってきた。
その点、ホフマンは、確かに語り口が一味違う。
ホフマンは大学では哲学を専攻し、しかも学者を目指しオックスフォードで研究を続けていたらしい。そんな人なのでレトリックも彼一流のもの言いが多い。
まずアントレプレナーを語る前に「自分の時間と才能」を「何にどう投資するか?」というテーマで分類を行うのだが、彼はそれを3つの類型に分けた。
1)インサイダータイプ
2)ポートフォリオタイプ
3)逆説的仮説へ投資するタイプ
インサイダータイプは「自分しか知りえない情報に対し投資すること。投資前から利益確定はほぼ約束されている」・・・ポートフォリオタイプは「リスクを最小化、細分化してポートフォリオを組んで投資すること。MBAや弁護士、コンサル、大企業の運営はこの傾向にある」・・・逆説的仮説へ投資するタイプは「他人には見えていない機会をとらえて、それに飛び込むこと。生還率が低いのにもかかわらず」で、最後のタイプがアントレプレナーだという。
さらにこう表現する「アントレプレナーとは、崖から飛び降りて落ちている最中に、なんとか飛行機を作って生還する。ということを考える連中である」・・・このメタファーは言い得て妙だし、僕が若いときに聞くことができた、多くのアントレプレナーの言葉とも合致する。
「一般の人が誰もできないと思う、もしくは気づかないことに気づいてそれを実行する」行動で、大事なのは市場参入者が他にはいないこと、すなわちビジネスをゼロから立ち上げる時間が確保できる対象に投資をしなければならない。と規定している。この部分が、ちょっと若いときに聞いた話と少し表現がずれてくる。「誰もやっていないことへの挑戦」が自分自身のアイディアやそれに対する思い入れと分離不能な体験としてずっと語られてきたし、ぼくもそう思ってやってきたのだが、この部分をプレイヤー自身が分離して語っているのは新鮮だった。
次に彼はファイナンスの話に移動する。起業にとって大事なのは最初の資金をどうやって得るのか?この大きさで飛行機を組み立てる時間が決まってくる・・・のだけれども、資金調達を得たということはスキューバダイビングで酸素ボンベを手にしただけで、海底から宝物をゲットして地上に戻ってきたわけではない。しかも大きすぎるボンベは浮上の際とても障害になる・・・こんな言い方をするわけだ。
E会ではここまでのくだりは、あまり熱心に議論されなかった。設定した質問が違う主旨だったのもあるが、実際大きなリスクを背負った経験がないと、この部分は鮮明なテーマにはなりにくいのかもしれない。ほんとちょっとしたあやのようなものだからね。
議論になったのは、この次だ。
ホフマンが、起業時に最も大事なこととして語ったのが次の言葉・・・「可能なかぎり早く「早くできない」ことを「できない」と見切ることだ」である。この言葉は少なくとも僕にとっては衝撃的だった・・・諸先輩方からは「あきらめるな!」が大事だと教わった身としては「諦めろ!」と言われた衝撃に加え、自身の強烈な失敗の経験から見ても、まさしく「諦める!」ことが「あきらめない!」こととイコールだと気付いたことにある。
ここはホントにエッセンシャルな気づきで、多くの人と共有したいところなのだが、E会での議論ですら、ここを深く掘るのは難しいことだった。アントレプレナーが多く輩出される例えばシリコンバレーという土地との比較の話になりがちである。もちろん起業を支える文化の違いは大いにあるだろう。でも、この日本にも多くのアントレプレナーはいて、多くの成功事例もある。失敗事例が大きく注目を浴びることは少ないけれど、意外に知られていないのは成功事例の中の無数の失敗についてである。
失敗と言うとちょっとニュアンスが狂うかもしれないから「変更」と呼ぶ方が良いかもしれない。けれども「変更」しなければいけない対象が、自分が信じているもっとも大事なものだったらどうだろう?多くの起業家は「最初のアイディア」を愛してしまう傾向にある。ここでいう変更は「愛するものを諦める」ことである・・・「愛」とか「諦める」とかちょっと精神論?なテイストになってしまったけど、これも日本人の特徴かも知れない(笑)
議事録に戻るが、会の議論では「失敗の大事さ」と「クレイジーさに対する投資」という議論に傾いた。その時出た事例が、前後するが17回の議事録に書いた「空飛ぶ自動車」のモラーだ。この時の話の盛り上がりで、モラーはなぜ資金を集められたのか?なぜ諦めずに今も商品開発に専念しているのか?に対する答えを見つけてみようという話になったのだ。
この時の発言で一番残ったのは、またもやHさんの一言だ。「スケジュール管理じゃないですかねぇ?」・・・
「このアイディアは今年の9月までの3か月間頑張ってみて、最初のマイルストンに辿り着かなかったらやめる!という感覚が足りないんじゃないでしょうか?」・・・そうかもしれない!・・・それでは足りないのかも知れない・・・ので、次回9月5日のE会も引き続きホフマン!
空飛ぶ自動車は果たして空を飛べるか?
今回のテーマは「空飛ぶ自動車」とこのサイトでも案内を出したが、その際、主人公の名をうっかりモロー博士と紹介してしまっていた。モローは昔の映画で、ある島を実験場として様々な改造動物を扱っていたマッドサイエンティスト・・・
今回の方はモラー博士・・・人違い(名前違い)であったことをここに修正させていただく。しかしながら、自分の研究対象への没頭の仕方においてはこのモロー博士に引けを取らないという意味においては、あながち間違いではなかったかもしれない。
話を進めていくに連れ、明確になって行ったのは、モラー博士は、skycarをこよなく愛していると言うこと・・・静かに、スムースに上昇する美しい赤の機体。すぐさま水平移動に移行し、ビルの谷間を、安全かつ自由自在に飛行する・・・そのようなシーンを目にすることこそが、彼の希求して止まない実現するべき未来・・・それ以外は全て瑣末なこと。このようなスタンスが様々なエピソードから明らかになった。
客観的に見ると、現時点でも現金化できる技術的ネタはふんだんに持っている。それなのに、それをキャッシュ化しないのはなぜなんだろう?彼の会社のボードメンバーをみても、ほとんどが技術者であり、ビジネスマンが見当たらない。上場しているスカイカーの会社は買収をすると仮定して2〜3百万ドル。ただし心臓部のエンジンは別会社の子会社がライセンスを保持している。その子会社は7億円で売る心づもりがあるらしいが、100%子会社らしいから、上で買った方がお得。しかも馬上さんによると、このユニークなエンジン技術の転用が目的の契約を中国のメーカーと少ない金額で契約寸前だったのを彼が押しとどめたという事。または、そのロータリーエンジンの優秀さも評価されていて、バックオーダーは万の単位で入っているにも関わらず、量産のラインの着手には投資する金額も、スタッフも足りなくてスタートできていないという事実。
どうやら、彼の頭の中には「事業」という二文字が決定的に欠けていて、他の追随を許さないアイディアとそれを実現する技術(しかし技術そのものも、彼の頭の中に入っていて、設計図も描かずに開発している・・・)で占められている。きっと「俺の作り出す本当の価値は誰も理解できないんだ」と思っているんだろうなぁ?・・・さらに彼は昨年、とうとう破産してしまったらしい・・・
ここで思い出したのは前回行ったホフマンの事例。いかに早くできないと判断する事・・・言葉を変えると「諦める」ことの重要さだ。彼が100%のスカイカーを実現する事を一旦諦めて、手にした技術、例えば「新型ロータリーエンジン」の販売にフォーカスしたらどうだったろう?エンジンでなくても、その効率化のために使った細かいパーツ・・・例えば点火プラグやガスを照射するノズルに革新性は無かったろうか?様々な可燃物を燃料に変換する技術は、切り出せば今回の震災時に大きくフィーチャーされる事が無かったろうか?
もし、それらパーツが、市場で認められていれば、資金調達に汲々とする事無く、潤沢な余剰資金を手にする事にならなかったろうか?現在の100倍、いや1000倍以上の資金を手にする可能性があったんじゃないだろうか?
「諦める」オペレーションが結果的に、諦めなかった事になる現象は、世の中にはそれほど知られていないが、成功しているビジネスのほぼ100%は大なり小なりこのオペレーションを敢行しているように僕には思える。過去の失敗を糧にするのが初歩だとすれば、あえて失敗を選択するということは、アントレプレナーマインドとしてはまだ未開拓な分野だ・・・とは思う。でも、そうなんだけれど本物にとっては上級のセオリーとして、みんなが使っている技であるはずだ。
モラーさんに伝えたいのは「まだ諦めるには遅くない!」という事だ。日本では「まだ諦めてしまうには早すぎる!」と使う人は多いと思うのだが、我がE会から贈りたい言葉は「一刻も早く諦めよう!それが夢を実現するための最大の近道である」・・・そうぼくは思うのだ。
今回も、会終了後、懇親会を行った。
ケツダンポトフが事実上店じまいになって、新しい事業モデルを模索し始めたようだ。彼らが普及させた「だだもれ」は新時代へのメッセージとしてとても有意義なものであったと思う。いつか会にも呼んで話をしたいものだ。また工藤さん、アッカの立ち上げで湯崎さん(現広島県知事)と一緒に徹夜してがんばってたなんて、初耳でしたよ!いま四国の徳島を起点に、面白い事をしようと思っているので、形になって来たら、是非紹介してください!アッカでのエピソードも詳しくききたいなぁ・・・すばらしいメンバーとともに、夜は更けていきました・・・若干朝だった気もする(笑)・・・
次回は8月休んで、9月から再開の予定です、詳しくはまたご報告・・・
また、ここ2回ほど議事録をさぼっているので、早めにこのサイトでご報告するつもりです。思いっきり前後逆ですが・・・諦める事は諦めない事ですから・・・
17回E会 開催のお知らせ
7月は、ホフマンを一旦お休みにし、別のテーマでのディスカッションを試みます。
今回のテーマの提供とモデレターをお願いするのは・・・
はるばる広島から参加いただく馬上さん。
もともとは自動車業界に身を置いておられましたが、現在は、広島においてISOのコンサルタントとしてご活躍中の方です。また丸の内起業塾において講師をつとめておられる方です。
E会では、ほぼ毎回と言っていいくらい言及される日本と米国の起業を取り巻く環境の違い・・・違いの原因は文化や社会通念、いや民族性に・・・などと毎回話題になっています。
今回は、むしろここに焦点を当てて、具体的な現実の事例を元に、その違いを鮮明に理解し、この案件に対するアプローチを例えば日本から行うと仮定すると、どんなことができうるのかを、フリーディスカッションしていく回になりそうです(私の勝手な予想w)。
その具体的な案件とは、なんと「空飛ぶ自動車」・・・
世代的には懐かしい響きを伴う単語ですが、真剣に事業化を進めている会社が米国にあります。あるだけじゃなくて、実際ナスダックに上場している。しているだけじゃなくてし続けている。売り上げはほとんどないのにもかかわらずです。何がそれを支えているのか?この秘密を知って見たいとは思いませんか?
馬上さんは、このプロダクトを設計しているドクターモローと直接面識がある方です。より、ダイナミックな現場の空気が分かるかもしれません。
ドクター・モローに関しては、彼の会社のサイトを参照ください。
「空飛ぶ自動車」こtスカイカーに関しては、おなじみのTEDでモローが講演しているのでそちらをご覧ください。
これ以外に、今回のE会のガイドとして馬上さんの書かれた文章を事前にお渡しできます。ご興味がある方は下記リンク先からお問い合わせください。
http://emind.age5.jp/emind.html
すでに会員の方は私宛にメールを頂ければ結構です。では今週末に・・・
第16回 E会のテーマ 満を持してLinkedInのホフマン
6月の題材は、いよいよホフマン。
僕が個人的に、一番好きなケースです。
今回のディスカッションのテーマは以下の三つ
1)あなたは自分の時間と能力をどう投資しているか?何か考えがあるか?他人の会社のこと以外に生産的な活動をするとしたら、どんなことから始められるか?
2)ホフマンはインサイダーというモデル、リスクを最小化してポートフォリオを組んだりして投資するモデル、逆説的仮説に則った投資行動モデル(一般の人が誰もが出来ないと思うもしくは気づかないことを、気づきそれを実行すること)という3つのモデルに言及しているが、自分はこの3つのモデルに当てはまっているか?ほかにモデルはあるか?
3)ホフマンはアントレプレナーシップがアカデミックとの違いについて、アントレプレナーシップは、可能な限り早く「早く出来ない」ことを出来ないと見切ることであるといっている。逆に言えば、アカデミックはあきらめないってことが大事だということにも聞こえるが、あなたはこれをどう考える?あなたは諦めきれないものを、どうあきらめるように自分に言い聞かせているか?
でありますが、ちょっと設問がマニアックだよ松島くん。ホフマンということと、ここ2回ほどライトなネタだったことの反動でしょうか?話を深掘れるように、3パートに分けてするとは決めたけれど、このテーマ立てだと、一回に一テーマじゃないと深くいけないんじゃないかな?それだけ深堀したくなるケースではあるんですが・・・
とはいうものの、実際のディスカッションは、フリーに気軽に進めていくので、気楽に参加してください。
テキストは、参加希望された方のみダウンロード可能(日本語) 参加方法≫
元の講義の様子は下記で見ることができます。
http://ecorner.stanford.edu/author/reid__hoffman
ちょっとホフマン、デブなので、呼吸が苦しそうなのがこっちにも、うつるのが玉にきず。
ちなみに、このLinkedInは5月20日の上場を果たし、ちょっとだけ日本でも紹介されたのだが、その表現が「就活サイト」ちょっと、僕の実感とあまりにも違う表現だったので、印象に残っている。SNS周辺のビジネスモデルについて語ってもいいとは思うのだが、それはさらにマニアックになるだけだから、別の機会に・・・

